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海水から淡水をつくる!?海水を真水に変えるには!


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海水から淡水をつくる

地球上には13~14億立方キロメートルの水が存在するといわれていますが、その大半が(97%)海水です。
また、海水は3~4%の塩分を含んでいますので、これを直接人間や動植物に与えることはできません。

そこで必要となるのが海水の淡水化です

なお、海水から飲み水をつくる海水淡水化の歴史は古く8世紀以前といわれています。 しかし本格的に行われるようになったのは1960年代頃からです。
ところで海水の淡水化は海水から塩分を取り除き、淡水にすることですが、これにはいくつかの方法が考えられます。
基本的には以下のような分類があります。
淡水化法 1)蒸発法  太陽熱利用(自然) 化石燃料利用(人口)
     2)膜法   電気透析法     逆浸透法

     

ここで(A)の蒸発法は最も古く、昔から行われてい たもので、これは水蒸気に塩分が含まれないことから 海水を加熱して蒸発することにより海水(塩水) から 淡水を分離する方法です。
表の(A)がその実用例であり、ここではボイラーの熱源で海水を加熱し、海水 中の水分だけを蒸発させ、さらにその蒸気を供給海水で冷やし凝縮させ、淡水を取り出し方法です。
(B)は膜法の一つで、ここでは電気透析法を表しています。
なお、この方式のポイントは陰陽2枚のイオン交換膜を用い、水槽内を3つの部屋に区分したものです。
また水槽内に左右2枚の電極を設け、これに直流電圧を印加し、一種の電気分解を行うものです。
一般に海水中に溶け込んでいる塩分はナトリウムイオンと塩素イオンに電離した形で存在するので、これに直流電圧を掛けイオン交換膜を通して寄せ集めます。
このとき、残った水が淡水となり取り出されるのです。
次に(C)の逆浸透法は中央の半透膜を境に左右に淡水と海水を入れると浸透圧の関係から淡水は半透膜を通過して海水側に移動します。
この場合、海水側に浸透圧以上の圧力を加えると海水は逆に半透膜を通過して淡水側に移動します。
このような原理を応用して海水から淡水を取り出すのです。

●地球上の水の97%は海水
●海水淡水化に三つの方法
●蒸発法/電気透析法/逆浸透法

ミネラル豊富な海洋深層水

現在、地球上では103種類ほどの元素の存在が確認されています。
またその中で70種類ほどの生体微量元素 (ミネラル)が体内で活躍し、その役割を果しています。
この中で人間の成長や生命維持にどうしても欠かせないミネラルを必須ミネラルといい、これには16~20種類の元素があります。
なおミネラルは体内で合成することができませんので、食べ物や飲物から摂取しなければなりません。
ところでこのミネラルなるもの一体どこに、どれだけあるのでしょうか。
それは、さまざまな地層(地表のこともある)や海洋に幅広く分布し、魚介類や植物その他の生物内にも蓄積されています。
皆さんもよくご存じのように海水を口にすると塩辛く感じますが、これは海水中に3·5~3.8%程度の塩分が含まれているからです。
ただし、海水中で食塩を形成しているわけではなく、ナトリウムイオンと塩素イオンに電離した形で存在しています。
もちろんそのなかには塩化マグネシウムなどの塩類も含まれています。
なお海水に溶け込んでいるミネラルは塩類が主体ですが、カルシウムやマグネシウム、をはじめ70種類に及ぶ元素が含まれています。

 

最近話題の海洋深層水ですが、これは水深150~300メートル付近に溜まっている海水を汲み上げたもので、ミネラルリッチで清浄な水として食品や、化粧水に利用されています。
なお、海洋深層水の特徴は密度が高いので海面に上昇してくることがなく、水温も低く、1年を通じてほぼ一定と考えられます。
また200メートル程度の深海のため、海洋深層水には太陽光も届かず小型の甲殻類、毛顎類などの動物プランクトンやケイ藻類、藍藻類などの植物プランクトンの光合成が行われないため、無機塩がそのまま残っています。
それに排水などの環境汚染が深海まで及ばないので、いろいろな細菌や化学物質に汚染されない清浄な海水といえます。

 

       

海水はどうして飲めないのか?

海洋で遭難したとき、十分なたくわえもないまま長い間漂流していると、ついには脱水症状を起こして死んでしまいます。
この場合、まわりは一面の大海原であり、水はいくらでもあります。
したがって、その水を飲めばよさそうなものですが、残念ながら海水を飲むことはできません。
それではなぜ海水を飲んで生き延びることができないのでしょうか。
これは人間の生体系の機能によるもので、海水を飲めば大量の塩分が摂取され、体内のナトリウムイオンと塩素イオンのバランスが崩れ、生体のホメオスタシス(恒常性)が作用し、ますます水分を求めるようになります。
その結果、脱水症状がさらに進行し、死を早めるのです。
とくに尿は血液中の老廃物を排出する働きがあり、これは腎臓でつくられます。
また腎臓の糸球体では赤血球や血小板などを取り除いた血漿だけが血液から取り出され原尿となり、この量は1日180リットルにも及びます。
このうち老廃物として取り除かなければならないナトリウムや尿素は数十グラム程度ですが、ここで原尿をすべて排出したのでは膨大な水分を補給しなければなりません。
そこで原尿を濃縮させる作用が働きます。
つまり腎臓内の尿細管で、原尿の水分が再び吸収されるわけです。
この働きはホルモンによってコントロールされ、水が不足しているときは吸収が多くなり、水分が余っているときは吸収が少なくなります。
しかし、この調整作用はどこまでも働くわけではなく一般に人間の尿は薄いときで血液のおよそ10分の1、濃いときでも数倍の塩分に限定されています。
したがって、尿より濃い海水を飲むと、その塩分を尿として排出するにはさらに多くの水分が必要となり、ついには脱水症状を起こしてしまうのです。
なお、海水のナトリウム濃度は人間の尿の1.5倍にも及びます。

●海水を飲むと脱水症状を起こすメカニズム
●脱水症状を起こすと死に至る
●ラクダは海水が飲める
 

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