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両親の介護の問題3


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現実の厳しさ

簡単な解決方法はないですね、そもそも選択肢のないのかも?
以下 東洋経済ONLINEで見つけた記事です

親の介護問題から目を背け続けた56歳男の後悔
悩みは仕事との両立や金銭、夫婦関係にも及ぶ

多くの人が直面する親の介護。「その日」は突然やってくる(デザイン:新藤 真実)

「介護は突然、自分の身に降りかかってきた」

斉藤和茂さん(仮名、56歳)はそう振り返る。3年前の正月、お盆以来半年ぶりに埼玉県の実家を訪れると、父(当時88歳)の様子が明らかにおかしかった。足元はおぼつかなく、トイレに行くにも壁伝いで何とかたどり着く状態。失禁することもあった。すでにアルツハイマー認知症だった。

自分で身の回りのことができなくなったため、母が「デイサービスに行こう」と誘うと、「年寄り扱いするな」と怒鳴り、頑として行こうとしなかった。「お前はもういらない、出ていけ」と母に暴言を吐き、気に入らないことがあると暴力を振るった。警察を呼び、場を取りなしてもらったことも一度や二度ではない。

「これほどひどい状態だと思っていなかったので驚いた。と同時に、実家に戻って介護をすることになったら仕事ができなくなるなと慌てたのも事実」(斉藤さん)。正月明けに実家近くで母が通いやすい特別養護老人ホームを探し、希望に近い新築の施設を見つけた。「申し込みは100人を超えていたようだが、警察を呼ぶほどという父の様子を話したからか、入居の優先順位が高まったようだ」。

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父の意思を確認せず施設に入れたことを後悔

同年2月にはその施設への入居が決まったが、父にどう伝えればいいのかわからなかった。車で施設まで連れていこうとして、「ちょっと外に出てみないか」と声をかけても父は無言。何も伝えられないまま日が過ぎた。

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入居前日の夕食時にも結局切り出せず、「デイサービスでさえ行かなかった父だから、明日は大騒ぎになるはず。どうしても嫌と言ったら諦めようと考えた」(斉藤さん)。

当日の朝、父の部屋をのぞくと、ベッドのシーツ、枕カバーが取り外され、掛け布団とともにきれいに畳んであった。斉藤さんの顔を見ると父は一言、「でかけるぞ」と言った 。「施設に入居することの覚悟を決めたように感じた。涙が出るほどつらかった」(斉藤さん)。仕事や子どもの進学など、自身の生活を優先して話を進めたことに今も後悔が残る。
父は入居直後、ほかの入居者とけんかするなどトラブルが続いた。息子の斉藤さんを父の弟の名で呼び、「家に帰りたい」と訴えたこともあった。「父は不本意だったと思うが、施設に入った以上、そこで生活しなければと我慢させたのでは」(斉藤さん)。
入居から2年が経とうという頃、認知症初期の険しい表情がなくなり、徐々に食が細くなっていった。ある日、会いにいくと、父は「もう、いいよな」とつぶやいた。それからはほぼ食事をせず、1カ月後に亡くなった。
斉藤さんは父の介護をこう振り返る。「突然、介護が自分事になったと感じたが、実際にはじわじわと始まっていたはず。怖いからギリギリになるまで目をつぶっていた。父の変化から目を背けず、希望を聞き、元気な頃から家族で話し合いをしていればよかった」。

半数近くが仕事との両立に悩
『週刊東洋経済』は10月21日発売号で「介護大全」を特集。介護経験者のリアルな声をもとに、介護の資金繰りやサービス、施設選びなど、悩みや不安の解消策を検証した。

同号ではメールマガジンを通して、親の介護に関するアンケート調査を実施(3640人が回答)。そこで現在、親を介護している人に苦労を尋ねたところ、精神的、身体的な負担が大きいと答えた人が多かったほか、半数近くが仕事との両立に悩んでいることがわかった。

また介護未経験者に将来の介護の不安を聞くと、6割以上が費用面への不安があると回答。さらに仕事との両立、家族の役割分担への心配も大きいことが明らかになった。
アンケートには、親の介護に直面した人たちの切実な声が寄せられた。とくに多かったのが、在宅介護や遠隔介護の悩み。身体面や精神面の負担以外にも、時間のやりくりや実家までの交通費など、現実的な課題を多く抱えることがわかった。5年間、東京と岐阜で遠距離介護を続けた自営業の男性は、「平日に働く日数が半分に減り、収入は大きく落ちこんだ。でも今親孝行しないでいつするかという気持ちで続けた」と振り返る。

(出所)『週刊東洋経済』10月26日号「介護大全」

さらに介護の役割分担をめぐり、夫婦や兄弟・姉妹関係に影響が出ているという声も多く届いた。50代の男性は「母の介護を妻としているが、わがままな母なので妻もストレスがたまっている。結婚生活40年以上が経ち、夫婦関係がぎくしゃくしている」という。

家族介護者を支援するNPO法人UPTREEの阿久津美栄子代表理事は、「親の介護は本来、家族の共同作業。だが夫婦のどちらかにその認識が足りず、義父母の介護に無関心であれば、夫婦関係に亀裂が入り、最終的に”介護離婚”に至るケースもある」と話す。

2030年に75歳以降の後期高齢者は2288万人に

親の介護に向き合う人は今後、さらに膨らむことが確実だ。内閣府高齢社会白書』(2018年)によると、75歳以降の後期高齢者人口は2030年に2288万人と最初のピークに。その後も高齢化率は増加の一途をたどる。

超高齢社会を迎える中、政府は施設より在宅での介護を推進しており、今後より多くの人が、親の介護にどう向き合うかが問われるようになる。介護はある日、突然訪れることケースが多い。「その日」に備え、知識を蓄え、家族で十分に話し合っておくことが不可欠だ。


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